Vienna acoustics(ウィーンアコースティクス) 「Haydn Grand Symphony Edition」ブックシェルフスピーカー

2022年11月、音楽性豊かで知られているオーストリアのスピーカーメーカー、Vienna Acoustics(ウィーンアコースティクス)から、「Haydn SE SIGNATURE」が発売されました。それに伴い、以前まであった「Haydn Grand Symphony Edition」がメーカー生産終了になり、デモ機を安価で購入することができたのでレビューしてみることにしました。Vienna Acoustics(ウィーンアコースティクス)は「S-1」以来となります。

スペック

形式・バスレフ2Way 2スピーカー バスレフ型
ユニットTW / 28mm ハンドコーテッド・シルクドーム・ツィーター× 1
WF / 152mm X3P スパイダーコーンウーハー× 1
周波数特性40Hz – 20,000Hz
クロスオーバー2,400Hz (6dB/oct)
感度88.5dB (2.83V@1M
インピーダンス4 Ω
推奨アンプ出力50 – 180W
本体サイズ(W×H×D)W174 × H361 × D265 mm
重量(1台)8.2kg ( 台)
備考シングルワイヤ・スピーカーターミナル
メーカーページより出典

外観

このスピーカー名は「Haydn Grand Symphony Edition」。オーストリアが生んだ偉大な作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの名前がついております。ハイドンは生涯において膨大な作品を世に残しましたが、特に小編成楽曲は素晴らしい作品が多く、そんな小編成=ハイドンのイメージを畏敬の念と共に具現化し生み出されたのがこのモデルとなっています。メーカーのこだわりが伺えます。

ツィーターはこれまで多くのスピーカーメーカーに供給してきているScanSpeak 社と共同開発したネオジウムを採用したシルクドームツィーター。職人によって一つ一つ入念な手作業によって作られており、磁気回路の空隙には特別に開発された磁性流体を流入されているそうです。

ウーファーはVienna Acousticsが独自にデザインし、生産しているオリジナルドライバーです。高剛性・超軽量に仕上げられた3種類のポリプロピレンを合成した高機能樹脂「X3P」をコーン部分に使用し、極めて高い制動性を実現するそうです。

正面のエンブレムは銀色に光っておりカッコイイです。

背面はハイドンの肖像画が描かれており、特別なモデルであることが分かります。SPターミナルは金属製になっておりバナナプラグ対応。生産はオーストリアとなります。

サランネットは金属製。豪華な作りになっています。

ダボ穴に入る部分も金属製のため、スピーカーのエンクロージャーに傷がつきやすく、取り付けは注意が必要です。

視聴機の紹介

スピーカー:Vienna acoustics「Haydn Grand Symphony Edition」
アンプ:Marantz HD-AMP1
SPケーブル:Amazon Basic 14ゲージ 1.5m
光ケーブル:Amazon 光ケーブル 2m
STB:APPLE AppleTV 4K
※私が視聴する全てのコンポーネントは基本的にスピーカーケーブルを除いて純正品を使います。

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視聴レビュー

今回の視聴スタイルは下記の通りです。
Amazon Music(アプリ)→Apple TV(HDMI接続)→55X930(光接続)→→HD-AMP1→Haydn Grand Symphony Edition

『カワキヲアメク(通常盤)』
トラック1:カワキヲアメク

女性ボーカルの曲です。
Vienna acousticsらしい乾いた音色がとても美しく感じ上品です。
この上品さは他国の高級スピーカーと比べてもないので孤高の存在です。
その中で解像度と質感もあり、1音1音の手前から奥にかけて響き渡るスケールの大きさは素晴らしいものを感じます。
それでいて無理な色付けをせず、楽曲のポテンシャルを活かしている印象は素晴らしいです。
ボーカルの感情表現まで伝わってきそうで、音楽の街で誕生したスピーカーやはり音楽性豊かだった。

アーティスト:美波
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『NEW-S』
トラック02:ガーティの夢

フィージョン系です。録音会場のホール感が良く伝わってきます。
音の空間表現が上手く、EWIの音色、ハイハットのキラキラした音色、ベースの響きどれをとっても美音です。
もちろん、ただの美音ではありません。その中でも上品な美音です。うるさくなく静けさもありエクセレントです。

Village Records
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『Dream Songs: The Essential Joe Hisaishi』
トラック03:Summer (映画『菊次郎の夏』より)

クラシックです。Vienna acousticsの乾いた音色がオケにはものすごく合います。バイオリンのピッチカート、ピアノの弦をたたく、フルートやトロンボーンなどの吹きかた、どれをとっても音楽表現が上手で、まさに目の前に音楽空間があるかのような響きです。

アーティスト:久石 譲
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『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番《悲愴》・第14番《月光》・第23番《熱情》』
トラック05:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 ≪悲愴≫ 第2楽章:Adagio cantabile

ピアノのタッチ感、pやfの強弱が優雅です。
「Allero di molto e con brio」の所からは、この意味の通り、速く、元気よくと、迫ってくるような音色がスピーカーから良く伝わり、とても聞きごたえがあります。ピアノタッチ感、手の動き、いわゆる技法が良く分かり、音を分析的に見るのも良さそうです。思わず聞き入ってしまいました。

総評

S-1以来のVienna acousticsですがやはり進化しています。
クラシック専用かと思っていましたが、音楽性があるもの、いわゆる音楽ならばどれでも優雅に上品にこなしてしまうのがこのスピーカーです。特に最近収録した楽曲との相性は素晴らしく聞きごたえあります。定価は30万円程度ですが、中古だと10万円前半で買えるため、音楽ファンは一度手に取ってみてください。

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