DENSO TENのスピーカー「ECLIPSE TD508MK3」

DENSO TEN(旧:FUJITSU TEN)のミドルクラススピーカー「ECLIPSE TD508MK3(BK)」が生産修理になったらしい。しかもBK(ブラック)だけ。急いで探したら運よく見つけた。実家のTD308MK3(WH)の後釜として購入しました。

スペック

スピーカー
8cm口径フルレンジスピーカーシステム
カラーバリエーションブラックホワイト
希望小売価格66,000円(税込)/1本
スピーカーユニット8cmコーン型フルレンジ、グラスファイバー
再生周波数帯域52Hz~27kHz(-10dB)
能率82dB/W・m
許容入力(定格/最大)15W/30W
インピーダンス
角度調整通常時:-10°~30°
天井面取付時:10°~-75° 壁面取付時:20°~75°
外形寸法(mm)
W180×H289×D268
質量(1本)約3.5kg
付属品保護ネット×1個
メーカーサイトより引用

開封

箱を上から見た様子です。いきなり変な豆知識で恐縮ですが右下に「TD508MK3 BK DENSO TEN Limited」というラベルが貼ってあります。これはDENSO TEN時代に製造されたモデルです。ご存じの方も多いかと思いますが、TD508MK3は社名が変わる前のFUJITSU TEN時代からあるモデルです。そのためDENSO TEN時代より前の製造は「TD508MK3 BK FUJITSU TEN Limited」と表記されています。※写真が暗くてごめんね。

箱をあけるとさらに箱が入っています。厳重な梱包に品質の高さが感じられます。

スピーカーを取り出す際は、箱を反対にし、引っこ抜く形で外します。

箱を外すと、スピーカーの形状に合わせた発砲スチロールがでてきます。

発泡スチロールを外すと、スピーカーと付属品が出てきます。スピーカーは布にくるまれており、ここでも品質の高さが感じられます。

付属品は説明書、六角レンチ、サランネットがついています。※写真にはありませんが保証書もつきます。

外観

TD508MK3(BK)のフロントです。エッグ形状のエンクロージャーは独特な存在感があります。サイズはスペックでも紹介したようにW180×H289×D268となります。他社だとDALIの「MEUNET SE」やGENELECの「G Two」が同程度のサイズになります。

TD508MK3(BK)のサイドです。この角度から見るとエンクロージャーがエッグ形状になっていることが分かります。このエッグ形状、いわゆる卵形ラウンドフォルムのエンクロージャーを採用にすることによって回折効果が抑制されスピード感、空間表現、明瞭等といった再現性がよくなります。

TD508MK3(BK)の背面です。ネジ穴が4つあり、この部分でエッグ形状を支えています。なおこのクラスから金メッキのバナナプラグ端子対応SPターミナルが採用されます。

TD508MK3(BK)のSPケーブル取り付け部分です。この部分でもFUJITSU TEN時代に製造されたのか、DENSO TEN時代に製造されたのか判別ができます。DENSO TEN時代のシールだと製造が新しいです。

TD508MK3(BK)のスピーカーユニット部分です。8cmフルレンジスピーカーユニットが採用されています。振動板の素材は軽量で高い剛性なグラスファイバーエッジは素材固有の音が少なく、比較的長寿命のブチル系ラバー、支えとなっている磁気回路は専用に最適化された上で、センターボールへ銅素材のショートリングを追加して磁気歪を抑えクリアな音が出るようになっています。

TD508MK3(BK)のスピーカー部とスタンド部の接合部です。3本のスパイクでスピーカーユニットが支えられています。これはDENSO TENのオリジナル特殊固定構造で不要な振動を排除し、ブーミーではないタイトな低音域再生ができます。

TD508MK3(BK)のスタンド金具部です。TD508MK3(BK)はその独特なフォルムからリスニングポイントを吟味する必要があります。付属の六角レンチにてスピーカー部を-10°~30°の範囲で無段階に調整ができるのでリスニングポイントが容易にセッティングできます。

TD508MK3(BK)のスタンド背面部です。別売りの「CB1」をはめることにより天井や壁取り付けが可能となります。加えてアームも天井や壁に対して20°~75°の角度調整ができるので使用シーンの可能性が広がります。

視聴機の紹介

スピーカー:DENSO TEN ECLIPSE TD508MK3(BK)
アンプ:TEAC AI-301DA
SPケーブル:オヤイデ d+Power Cable(電源ケーブルを改造)
USBケーブル:AIM UAC-F010
すべての楽曲をAI-301DAのUSB-DACを使い、音源はYouTubeより視聴を行う。

視聴レビュー

オリジナル・サウンドトラック『ハリー・ポッターと賢者の石』
トラック19:ヘドウィグのテーマ

クラシック曲です。
弦、金管、木管、打楽器等、それぞれの音反応速度によるレスポンスの違いが明確になって耳に届くので聞いていて楽しいです。歯切れ感もすばらしく音の再現性も高いです。8センチフルレンジユニットだと低域や高域が心配でしたがそこは杞憂のようでした。十分満足度の高い鳴り方をします。もちろんスピーカーユニットが複数あるような鳴り方はしないもののダイナミックなスケール感は伝わってきます。下手なブックシェルフスピーカーを買うより好印象です。

『劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』主題歌「時の迷宮」(通常盤)
トラック1:時の迷宮

アニソン曲です。
ボーカルを中心に全体を潔く鳴らしてくれます。この手の音源はやや分解力が足りずつぶれてしまう部分もでてきますが、このスピーカーはどちらかと音源に忠実なのでこれはこれでアリだと思います。下手な音作りをしないのがGood Pointです。

『ラ・ラ・ランド – オリジナル・サウンドトラック』
トラック5:ハーマンズ・ハビット

ジャズ系の曲です。
ベースの弦を指で弾く音感、スネアの叩くスピード感、サクソフォンの押し出し感、トランペットのアタック感はどれをとっても素晴らしく静けさまで再現されもう最高としかいいようがありません。これだけのクォリティーをペア10万円程度のスピーカーで音が出れば他がいらなくなってしまうレベルです。

総評

音楽を正面から向き合いつつ、きちんと楽しめるスピーカーです。このクラスでの音楽再現性は高いと思いますが、再現性が高いゆえに質の悪いソースも悪いなりにならしてしまうので、そこが購入のターニングポイントかと思います。またフルレンジ1発であり、出口も狭いため、もう少し鳴らせるアンプがあると、さらにふくよかに鳴らせられると思いました。長期的に運用ができる一品となっております。

参考までにTD307MK3と外観音色比較した画像も追加しておきます。
TD307MK3のサイズはW135×H212×D184に対してTD508MK3はW180×H289×D268となっており一回り大きいイメージです。音も一回り広がりが良いです。

TD307MK3のユニットサイズはフルレンジ6.5cmに対してTD508MK3はフルレンジ8cmとなっておりこちらも一回り大きいです。素材はほぼ同一ですが、TD508MK3の方が磁気回路やアンカー等が良いので音に対しても品質が高いと思われます。

TD307MK3のスピーカー部とスタンド部の接合部は軸でそのまま受けていますが、TD508MK3になると3本のスパイクでスピーカーユニット固定しているため音の抜け感が良いです。

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