YAMAHA SACDプレーヤー CD-S2000

ヤマハのフラッグシッププレーヤーであるCD-S3000やミドルクラスのCD-S2100と非常に良いモデルがでてきました。そのきっかけとなったのがCD-S2000となります。今回、安く入手できたので買ってみました。

スペック

CD-S2000
主な仕様
再生メディア音楽用SA-CD、CD、CD-R/RW(MP3、WMA再生可)
周波数特性SA-CD:2Hz~50kHz、CD:2Hz~20kHz
高調波歪率SA-CD:0.0017%以下、CD:0.002%以下
ダイナミックレンジSA-CD:110dB以上、CD:100dB以上
SN比SA-CD/CD:116dB以上(JEITA)
出力端子光デジタル1、同軸デジタル1、アナログXLR(バランス)1、アナログRCA1
消費電力25W
外形寸法(幅×高さ×奥行)435W×137H×440Dmm
質量15.0kg
付属品リモコン、単3乾電池2本、電源コード(2m)、ステレオピンケーブル(1.5m)
メーカーページより出典

外観

しばらくピュアオーディオを休んでいたヤマハから登場したCD-S2000、外観はとてもシンプルで長期的な運用でも飽きがこないデザインです。

発売当時はシルバーの色のみでしたが、あとからブラックカラーが登場しました。

ブラックカラーは人の手汗などが目立ってしまうので、気になる方はシルバーカラーが良い。

CD-S2000が定価168,000円(税抜)だということですが、左右、天板、3点構造になっています。このクラスでは贅沢な造りです。

この中古個体は天板に「テカリ」があります。常時、日光に当てられていたのでしょう。

サイドは木製の板がついています。ヤマハらしい構造で、オーディオバブル時期の造りを継承しているのは「流石」といったところでしょう。

サイドの木目がキレイに浮かび上がっている。

入力系統はスペックに記載通りです。バランス、アンバランス、デジタル出力しかないのは惜しいですが、「あくまで専用SACDプレーヤー」という位置づけなので問題ございません。

筆者が入手したのは2007年製。CD-S2000最終製造が2012年~2013年なので発売日頃に買った個体でしょう。

ディスクトレイは高剛性アルミニウム製になり、この価格帯ではとてもお金のかかったモデルとなります。

加えて、ディスクトレイの開閉は、ヤマハ独自のメッシュドワイヤードライブ方式によるものでソフトで滑らかな動作がたまりません。

リモコンも高級感があります。表面はアルミ素材がついており、すごいです。確かリモコンだけを取り寄せると5000円程度したような記憶がございます。

電源ケーブルはいつも通り、数年前のマランツやデノンなどの高級機についていたタイプになります。CD-S2000のバランス感ある音を楽しむにはこれで十分という所もあり、あえて変える必要がありません。

電源のスイッチはリレー式となっており、電源ON/OFFはリモコンで操作ができません。音楽を「真剣」に聴くために、このような造りとなったんでしょうか?気になる所です。

またSA-CD/CD、PURE DIRECTのボタンはここに備わっており、簡単に操作可能です。

再生、一時停止、スキップ、停止はここで行います。※写真ぼやけてしまいすみません。

視聴機の紹介

プリメインアンプ:YAMAHA A-S3000
CDプレーヤー:YAMAHA CD-S2000
スピーカー:DENSO TEN TD712zmk2

視聴レビュー

『TVアニメーション「マリア様がみてる~春~」サウンドトラック』
トラック5:祐巳のテーマ~original version

ワルツ形式の曲でストリングス、ピアノ、フルートの構成です。
CD-S2000で再生すると、解像度高く煌びやかな印象はありますが、しっかりと音楽性があり使いやすいのが特徴です。楽器どおしのセパレート感、音場の広さ、過去のフラッグシップ機ならでは作りこみです。
低中高域よくでています。

『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 003』
トラック5:女の子は誰でも

カバーソングで、女性ボーカルです。
CD-S2000で再生すると、広い音場でボーカルやバックバンド全体を見渡す印象でした。ただ気になる所があり、ボーカルは確かに前には出ていますが、他メーカーよりも出てきません。
解像度高く煌びやかな印象はあっても、録音されたソースを崩すような傾向にはならないのである意味、ヤマハの真面目な音作りに驚きました。
こちらも低中高域よくでてています。

『WHITE ALBUM2 ORIGINAL SOUNDTRACK~encore~』
トラック9:愛する心

オリジナルソングで男性&女性ボーカルです。
CD-S2000で再生すると、解像度高く煌びやかな印象は変わりませんが、SACDということもあり、しっとり感があります。
ここでようやくヤマハらしいナチュラルな要素を感じられました。男性も女性ボーカルも普通に良く申し分ありません。
この「普通」というのが以外に難しくこの金額帯でよく製品化されたと思います。こちらも低中高域よくでています。

総評

中古相場6万強~10万円程度で買える音とは思えない「普通」に良いCDプレーヤーです。
色んなソースを解像度高く煌びやかな印象はあるにしても、聞き疲れはせず、しっかり音楽性を表現した造りこみがあります。
特に、全体を見渡すような音場表現が得意のため、クラシック系の音楽との相性は抜群に良いです。
この価格帯なら、クラシック専用機として1台所有していたいプレーヤーです。

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