ヤマハのブックシェルフスピーカ「Soavo-2」

時は2007年3月。しばらくハイファイオーディオを休んでいたヤマハから満を持して登場したのがSOAVOシリーズ…..トールボーイからブックシェルフまで展開されました。

SOAVOとは2単語の造語。イタリア語でSoave「優美な」とVoce「歌声」を意味しています。人の声をリアルに再現したスピーカーです。

デビュー前から期待されていたスピーカーで約10年にわたって全国量販店や専門店で販売しておりました。そんなスピーカーも生産完了となりました。これは本当かどうか分かりませんが、生産完了になった理由は、社長が交代になり、変わった社長が売れ行きが悪いものをやめる方針があったそうです。そんなSoavoですが、珍しいナチュラルバーチ色のスタンド付きで購入することができましたので簡単に紹介いたします。

仕様

Soavo-2
主な仕様
型式2ウェイ・バスレフ型(非防磁)
スピーカーユニット16cmコーン型ウーファー、3cmアルミドーム型ツィーター
再生周波数帯域45Hz~50kHz(-10dB)、~100kHz(-30dB)
インピーダンス
許容入力30W
最大入力120W
出力音圧レベル88dB/2.83V,1m
クロスオーバー周波数3kHz
入力端子バナナプラグ対応ネジ式(バイワイヤリング可)
外形寸法(幅×高さ×奥行)220W×380H×353Dmm
質量9.7kg
付属品ポートプラグ

メーカーページより引用

外観

【フロント】
2WAY仕様のスピーカーです。専用に開発された16cm口径A-PMDウーファーと、伸びやかな高音再生で定評のある30mm口径DC-ダイヤフラムツィーターの構成です。この構成によりヴォーカリストが眼前に浮かび上がる歌声とリアリティあふれる音場感が再現されるとのことです。

【サイド】
デザイナー喜多俊之さんによるデザインと木の木目が綺麗に演出されています。この形状は平行面を一切作らぬことで定在波を低減させて音質の向上とのことらしいです。
※デザインは2006年度のグッドデザイン賞を受賞しています。

【リア】
バスレフ仕様。スピーカーターミナルはバイワイヤー仕様。バイワイヤーに使われているケーブルはALR/JORDANと真鍮製のジャンパー、内部配線にも同様のケーブルが使われています。ケーブルの動脈は統一感があるようです。

【サランネット】
マグネット式です。軽くて使いやすいです。照明焼けで色が茶色くなっていますが、ジーニアスパーツで取り寄せ可能ですので新品にすることも可能みたいです。

【専用スタンド】SPS-900
独特の形状をしています。このスタンドがあるとよりSoavo-2の魅力を引き出してくれます。中々このスタンドが中古市場に出てこないのでとても貴重です。

スピーカーをのせる土台には毛のインシュレーターがついており、スピーカー本体とスタンドの共振を抑え、スピーカー本体に傷がつきにくい仕様になっています。

ロングシャフトにはケーブルを収納できるスリットが隠されており、ここを伝ってケーブルをしまうことができます。

スタンド背面には4箇所のゴムシールが貼ってあり、ここの真ん中に穴があいております。ここにスパイクを取り付けてスピーカースタンドを浮かすこともできる仕様になっております。

恐らくスタンドの仕様は黒い部分を覗いてMDFを強化したタイプに見えます。本体重量が1本あたり6.5kgなので、もし、全てが鉄などでできていればもう少し重いはずだと思います。なおスタンドサイズは360W×603H×415Dmmのようです。

【説明書】
Soavo-2は1本売りなので、2本買うことで2枚の説明書が付きます。

SPS-900は各国の言語で作られています。最後のページのみ日本語です。

スピーカーにはそのほかにバスレフポートがつくようですが、付属しませんでした。ヤマハに電話すればジーニアスパーツとして注文はできそうです。

視聴機の紹介

モニター:TOSHIBA REGZA 55X930
アンプ:MARANTZ MODEL M1
STB:APPLE APPLE TV
APPLE TVにてYouTube Musicを再生。テレビを伝ってARCでMODEL M1から出力しています。

視聴レビュー

『LOVE 2000 八奈見杏菜(CV: 遠野ひかる)』

2000年の名曲で有名なラブソングの女性声優によるカバー曲です。
ナチュラルでなめらかの中でボーカルとバックバンドを鳴らしてくれます。
それ以上でもそれ以下でもないように思えます。
音の解像度はほどよくあり、音の広がりもほどよくあります。
音の分析するような鳴り方ではなく、解像度を引き上げるようなこともなく、音の広がりも作るのではなく、どこまでいってもナチュラルな音色という印象です。

メインアーティスト:八奈見杏菜(CV: 遠野ひかる)
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『ファンファーレ 玉置 浩二』

日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』の主題歌です。
こちらもナチュラルでボーカルとバックバンドを鳴らしてくれます。
やはり解像度は引き上げようとせずに自然、音の広がりも程よいです。
シンプルに程よい肉付き感のあるボーカルとバックバンドのストリングスはしなやかです。
いわゆるソースに含まれている音色をできるだけ加工せずに出力されているような印象です。

SONY MUSIC
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おススメ楽曲

音をあまり加工せずにそのまま出してくれるスピーカーなのでやはり楽器系が得意な印象を受けます。

『BOSS PIANO YUJIOHNO TRIO with FRIENDS』
You Are My Sunshine

ジャズの曲です。
低音のドラムスは軽やかな部分は軽やかに、重々しい所は重々しく再現されます。
ピアノも低音は音が太く、高域はあまり細くならずにナチュラルに美しく聞こえます。
ハンドクラップやブラスも特徴をきちんとつかんだ上でスピーカーから流れているように聴こえます。
音はそのままで、音の持つポテンシャルを活かしたような音色ということでしょう。

メインアーティスト:Yuji Ohno Trio with Friends
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総評

ヤマハらしいナチュラルサウンドのスピーカーです。
解像度は高い訳でもなく、音の広がりも強くあるわけでもなく、自然を生かしたような傾向です。
言葉を変えると「収録された音を色付けを控えてそのまま出してくれる」ようなスピーカーです。
そのため聴きづらい楽曲は聴きづらいままでてくるのでそこがデメリットでしょう。
聴いていて違和感もなく正統派のブックシェルフスピーカーです。

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