DCD-SX1 LIMITEDを入手する機会がありましたので使ってみました。DCD-SX1といえばDENONのフラッグシップ機ですが、サウンドマスターである山内慎一氏が4年の歳月をかけて作り上げた新世代のSACDプレーヤーとのことで力作です。
スペック
オーディオ特性
スーパーオーディオCD | PCM | |
チャンネル | 2チャンネル | 2チャンネル |
再生周波数範囲 | 2 Hz ~ 100 kHz | 2 Hz ~ 20 kHz |
再生周波数特性 | 2 Hz ~ 50 kHz(-3 dB) | 2 Hz ~ 20 kHz(±0.5 dB) |
S/N比 | 122 dB(可聴帯域) | 122 dB |
ダイナミックレンジ | 118 dB(可聴帯域) | 101 dB |
高調波歪率 | 0.0005 %(1 kHz、可聴帯域) | 0.0015 %(1 kHz) |
ワウ・フラッター | 測定限界以下 | 測定限界以下 |
出力レベル | 2.0 V(10 kΩ) | 2.0 V(10 kΩ) |
入出力端子
アナログ音声出力端子 | バランス出力×1、アンバランス出力×1 |
デジタル音声出力端子 | 同軸デジタル出力×1、光デジタル出力×1 |
デジタル音声入力端子 | USB-B×1(PC)、USB-A×1(iPod / iPhone、USBメモリー)、同軸デジタル出力×1、光デジタル出力×1 |
その他 | リモートコントロール入出力×1 |
総合
外形寸法(W × H × D) | 434 x 149 x 406 mm |
質量 | 23.5 kg |
消費電力 | 39 W |
待機電力 | 0.1 W(オートスタンバイオン) 0.3 W(オートスタンバイオフ) |
付属品 | 取扱説明書、リモコン、単4形乾電池×2、オーディオケーブル、電源コード |
※メーカーページより引用
外観
DCD-SX1のリミテッドモデルということで、外観はDCD-SX1と似ていますが、限定品の証として右下にLimited Editionの文字が入っています。
Limited Editionの証
トップカバーはA7075(超々ジュラルミン)が採用されており、通常モデルとは異なります。サウンドマネージャーである山内氏は色々なトップパネルを視聴したところ、この素材に決定したらしいです。加えて当初はサウンドブラスト加工のようでしたが、サウンドステージの透明感やディテールの表現力が優れているヘアライン加工になったそうです。
ありとあらゆる所のネジは銅メッキ?になっています。通常モデルは銅メッキではなかったのでこの辺りもLTDらしいこだわりです。
レッグもトップカバー同様にA7075(超々ジュラルミン)が採用されています。
トレイはDCD-SX1と遜色ありませんが、中身のドライブメカニズムはLTDらしいこだわりの設計です。メカニズムを支えるアルミ砂型鋳物ベースなどの振動対策がされているなど、かなり追い込んだ設計となっているようです。
背面端子はDCD-SX1と変わりありません。
電源ケーブルもDCD-SX1と同様でフラッグシップにある高級電源ケーブルが付属しています。
付属品のRCAケーブルもDCD-SX1同様。筆者はこのRCAケーブルの音が以外にも好きです。
リモコンもDCD-SX1同様。
電池もDCD-SX1同様。(恐らく東芝製)
説明書(コンパクトになりました)
おまけのUSB延長ケーブル
このモデルは製品登録することで3年保証が受けられます。
※通常は2年保証となります。
視聴機の紹介
プリメインアンプ:YAMAHA A-S3000
CDプレーヤー:DENON DCD-SX1 Limited
スピーカー:DENSO TEN TD712zmk2
視聴レビュー(CD/SACD)
『I”s Pure/Original Soundtracks』
トラック4:NUAGES
ギターとバイオリンの曲です。
ギターのメローな響きがたまりません。
音の空間表現がよく再現されており、余韻が部屋中に響き渡ります。
それでいて無機質な感じもなく、音楽性もあり、欠点がありません。
バイオリン質感、ギター弦のはじく音にも濁りはなく極上なサウンドです。
トラック7:UN JOUR DHIVER
ピアノとバイオリンの曲です。
楽器が少ない構成ではCDプレーヤーの能力が重要です。
楽器が少なくなれば安いプレーヤーでもそこそこ鳴らしてくれますが、
高級なCDプレーヤーになると、わずかな音色まできちんと汲み取って
再現します。なので上手いソリストなら上手に引きますし、下手なら下手なりきの音色まで分かってしまうのが辛い所ですが、この曲もきちんとならしてくれました。
ビブラートをかける手の動きまで見えてしまうのがちょっと怖いです。
トラック8:DIMAIN
シンセサイザーにギターとドラムスの曲です。
ここでも次元の違う音を出してくれました。
柔らかな響きのシンセサイザーがリードしているのに、バックでは
ドラムスの鋭いアタック感が出ています。
通常どちらかに引っ張られるんですが、お互いに濁らずしっかり出し切っているのはやはり音作りに追い込んでいると思います。
『WHITE ALBUM2 ORIGINAL SOUNDTRACK~encore~』
トラック6:心はいつもあなたのそばに
続いてはテンポがスロー目のボーカル曲です。
出始めからコンサートホールにいるかのような静けさが再現され歌い始めます。
ノイズ処理の追い込みがすごいので、このあたりがものすごく鳥肌ものでした。
声はしなやかで、ボーカルとバックバンドがしっかり3Dに分かれ、分解能力がやはり高いです。ユニゾンもいいですね。
トラック9:愛する心
男性&女性ボーカルの曲です。声の再現力がすごいです。男性は中低域の図太い声が滑らかに響き渡り、女性は中高域の柔らかな声がどこまでものびていきます。スタジオでマイクに向かって歌っている雰囲気も出てくるので、ありきたりな表現ですが「目の前で歌っている!」
と誤解してしまいそうな感じです。これはすごいとしかいいようがありません。
視聴レビュー(USB&コアクシャル)
青き海辺のカタルシス(ULTRA HD)※PCにUSB接続-AmazonMusic
トラック7:いのちの歌
声を根底から掘り起こしてしっかりと再現してくれます。
しかも、松村宗嗣らしい男性ボーカルの太い声質も丁寧だしてくれるので申し分ありません。
でもこれはCDで聞きたいというのは本音です。
美味しんぼ DVD BOX1※テレビからcaxcial接続
声の明瞭感やBGMの奥行き感はでるので問題ないと思いますが、やはり音楽性が出てしまいちょっと扱いにくいです。
総評
DCD-SX1の足りない部分を抑え込んできているので、完成度が高くとても良いSACDプレーヤーです。製品の追い込みから約90万円というプライスは納得ですが、中古市場だと40万円ぐらいで買えるので欲しい方はおススメです。
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