いつも行くオーディオショップで見つけたCDプレーヤー。見た目は普及クラスですが、どうやらネットワークやDAC機能も備えているらしく、興味がでました。オーディオのおやじにお願いしたら安くしてくれたので衝動買いしてきました。
スペック
【オーディオ特性(DSD)】
再生周波数範囲 2 Hz ~ 100 kHz
再生周波数特性 2 Hz ~ 50 kHz(-3 dB)
SN比 110 dB(可聴帯域)
ダイナミックレンジ 106 dB(可聴帯域)
高調波歪率 0.0010 %(可聴帯域)
【オーディオ特性(PCM 192 kHz/24bit】
再生周波数範囲 2 Hz~ 96 kHz
再生周波数特性 2 Hz~ 50 kHz(-3 dB)
SN比 110 dB
ダイナミックレンジ 106 dB
高調波歪率 0.00%
【出力レベル】
アンバランス出力(FIXED) 2.2 V RMS
アンバランス出力(VARIABLE) 4.5 V RMS(可変最大)
ヘッドホン出力 30 mW / 32 Ω(可変最大)
【音声出力端子】
アナログアンバランス(FIXED)× 1、アナログアンバランス(VARIABLE)× 1、同軸デジタル × 1、光デジタル × 1、ヘッドホン × 1
【音声入力端子】
同軸デジタル × 1、光デジタル × 2、USB-A × 1、USB-B × 1
【その他入出力端子】
ネットワーク× 1、Bluetooth / Wi-Fiアンテナ入力×2、RS-232C× 1、フラッシャー入力×1、マランツリモートバス(RC-5)入出力 × 1
【消費電力】
42 W
【待機電力】
0.3 W(通常スタンバイ)/ 4 W (ネットワークスタンバイ)
最大外形寸法 “W440 x H106 x D369 mm (ロッドアンテナを寝かせた場合) W440 x H165 x D369 mm (ロッドアンテナを立てた場合)”
【質量】
“8.0 kg “
メーカーサイトより引用
外観
普及クラスらしいデザインですが、フロントパネルはマランツ60周年記念で製造および販売されたNA-11S1を踏襲した上で、CDドライブをくっつけたようなデザインです。
天板はマランツの普及クラスらしい、いつもながらの感じです。叩くと鳴るので、ブチルゴムなどを貼って制震対策しても良さそうですが、この鳴り具合がアコースティックな響きになるので、これはこれでアリだったりします。
サイドは三点銅メッキネジで止められています。銅は音に良い効果をもたらすことが多いのですが、マランツは普及クラスでも銅メッキネジを使うので、「さすが!」といった所でしょう。加えて、最近2点ではなく3点で止められているケースを見かけますが、こちらの方が音に対していいのでしょうと思います。
背面は入出力端子の宝庫です。今回はスペックの部分で紹介した為、何があるかなどは割愛しますが、実売10万円前後でこれだけの端子があると、コスパ良いなぁと思います。
ディスクトレイは普及クラスですが、ペラペラな印象は無く、しっかりとしています。フルサイズのCDは当たり前ですが、8インチCDも再生できるのはありがたいです。
付属品の紙などは割合と多いです。最近、紙のマニュアルを廃止にするメーカーが増えてきましたが、マランツは分厚いマニュアルを同梱してくれるのでとてもありがたいです。特にネットワークオーディオは複雑ですので、初心者にとっても考えられた配慮です。
リモコンは、マランツおなじみのタイプになります。筆者が高校生の頃から変わっていないので、このデザインは10年以上たっていると思われます。案外手になじんで使いやすいんですよねー。コレ
電源ケーブルも、おなじみのVolex社になります。ニュートラルな音色が特徴でこれも使いやすいです。
インシュレーターの写真は撮影しておりませんが、プラスチックのタイプになります。中身は空洞になっており、振動を逃がすようにできています。
そして、このND8006には音質設定もありますので、自分の好みの音にすることができます。
音質やロックレンジは下記の通りです。
【音質について】
フィルター1
解像度を重視した音質になる
フィルター2
音の柔らかさを重視した音質になる
【ロックレンジについて】
ナロー/ミディアム/ワイドレンジ
視聴機の紹介
プリメインアンプ:YAMAHA A-S3000
CDプレーヤー:Marantz ND8006
スピーカー:DENSO TEN TD712zmk2
視聴レビュー
まずはCDから聞きました。
『TVアニメーション「マリア様がみてる~春~」サウンドトラック』
トラック4:avec ma soeur~関係
ピアノのゆったりとした曲です。
低域からくる鍵盤のずっしりとした重みを感じ、高域の艶やかな印象が強いです。中域がもう少し欲しいと感じますが価格から見ればコスパの高さが伺えます。
『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 003』
トラック5:女の子は誰でも
カバーソングで女性ボーカルの曲です。高域の表現が良いので、女性ボーカルが前に出てきます。それでいてしっとりとした響きをするので耳にも心地よいです。低域からくるバスドラ系もしっかりと再現されているので申し分ありません。
次にアプリのHEOS経由でAmazonMusicを聞きました。
『THANX!!!!!!! Neo Best of DA PUMP』
トラック16:U.S.A
音の抜け具合が良く出ています。
歯切れのよい解像度に、マランツ特有の艶っぽさが少し再現されています。
『Swinging!』
トラック1:Swinging!
中高域が爽やかでとてもルンルンした気分で聞けます。
低域と中高域の音色が良く再現されており、満足できる音質です。
『クリスマス・イブ (30th ANNIVERSARY EDITION)』
トラック1:クリスマス・イブ
ここでも中高域の爽やかな広がりから山下達郎のボーカルが楽しめます。
そしてUSB-DACを聞きました。
※PCにAmazonMusicアプリを入れての視聴です。
『THANX!!!!!!! Neo Best of DA PUMP』
トラック16:U.S.A
HEOS経由でAmazonMusicを聞いた時と比べて、全体的に1段階UPしました。よりしっとり感が出て、ピュアオーディオらしさがより出ています。印象もHEOS経由と比べて、雑味がなくなり、滑らかに音の抜けがよく、解像度も良くなりました。マランツ特有の艶っぽさもさらに、よく再現されています。
『Swinging!』
トラック1:Swinging!
HEOS経由でAmazonMusicを聞いた時とくらべて全体的にしっとりなめらかと艶っぽさが加わりました。それでいて中高域爽やかでとてもルンルンした気分で聞けます。低域と中高域の音色が良く再現されており、十分満足できる音質です。
『クリスマス・イブ (30th ANNIVERSARY EDITION)』
トラック1:クリスマス・イブ
より音楽性豊かな山下達郎氏のボーカルが楽しめます。
最後に、テレビから光デジタル出力にて映画を見ました。
『マイ・インターン』
アン・ハサウェイ主演の映画です。
映画視聴時は、ロックレンジをワイドレンジに設定を行います。AVアンプの音はセリフの活舌感をしっかり出してくれますが、ピュアアンプでは音楽要素が出てしまいAV用途には向きません。
そこで、ND8006の一部設定をワイドレンジに変更することで近づけることができます。これのおかげで、声の活舌感はAVアンプに近いモノを感じ、それに加えて音の広がりやボディー感は同価格帯のAVアンプでは
でないので、AV用途でも使いやすいのが特徴です。
総評
これだけの機能が凝縮されており、音もそこそこ良いので困ったものです。色んな機能を試しましたが、一番音が良かったのはやはり「CD」でした。CDに勝るものはないということでしょうか。
次に良かったのはDAC(USBや光、コアクシャル)、こちらはトランスポート側に配分が行ってしまうので、合わせる機材によっては一番かもしれませんが、通常利用ではCDよりもDACというのは少ないかもしれません。
逆に、一番悪かったのはHEOS経由で聞いたAmazonMusicでした。それだけ本体に負担がかかっているということでしょうか。別に特別「悪い」という訳ではないですが、重箱の隅つつきみたいなことを言えば、コレです。
筆者は辛口に言っておりますが、間違いなくこのクラスで「使い勝手」をふくめるとベストバイ商品であることは間違いありません。
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