コーヒーブレイク記事:11年前に登場したブルーレイプレーヤーBDP-105DJPは現役で使えるか?

2025年末に青森のオーディオ店で中古のBDP-105DJPを購入した。この機種は2014年に発売したモデルのためHDMI1.4a規格となっている。現在はHDMI2.1が最新規格なので規格上で比べると古さを感じるが、物量投資モデルであり、規格上からは見えない部分のアドバンテージがあるのではないか。まだまだ世の中は2kディスクがメインなので現役として使えると思い音質と映像の双方から8Kプロジェクターを使い実機で試してみた。

これがBDP-105DJPだ。押しボタンは電源ON/PFFとディスク挿入/排出ボタンのみ、それ以外は静電タイプとなっている。ブルーレイプレーヤーでは珍しいHDMI入力端子も備わっている。

スペック


BDP-105DJP
Darbee Visual Presence
画像処理エンジンSilicon Image社 VRS ClearView技術
対応ディスク*BDビデオ,ブルーレイ 3D,BDオーディオ,DVDビデオ,DVDオーディオ,SACD,CD,AVCHD,DSDディスク,HDCD,KodakピクチャーCD,
CD-R/RW,DVD±R/RW,DVD±R DL,BD-R/RE
対応メディアコンテナとファイル形式**
(DSDファイルを除く)
3GP,AAC (Advanced Audio Coding),AIFF (24 bitまで),APE (Monkey’s Audio),ASF (Advanced Systems Format),
AVCHD,AVI (Audio Video Interleave),BDMV,DIVX Media Format,FLAC (Free Lossless Audio Codec),FLV (Flash Video),GIF,JPG,
M2TS (BDAV MPEG-2 Transport Stream),M4A (MP4に同じ),M4V (MP4に同じ),MKV (Matroska、.mkv および .mka両対応),
MP3 (MPEG-1 Audio Layer 3),MP4,MPG (MPEG-1),MOV (Quicktime),MPO (Multi Picture Object),OGG,OGM,PNG,
TS (Transport Stream),VOB (Video Object),WAV (24 bitまで),WMA (Windows Media Audio) (WMA Pro、ロスレスまたはボイス非対応),
WMV (Windows Media Video)
対応DSDファイル形式DSDIFF(5.6MHz,2.8MHz)
DSF(5.6MHz,2.8MHz)
BDプロファイルBD-ROM Version 2.5 Profile 5 (Profile 1 Version 1.0および1.1と互換)
内部ストレージ1GB (実際に利用可能な常用ストレージのスペースはシステムの使用状況により変化します)
HDMI出力映像フォーマット480i/480p/576i/576p/720p/1080i/1080p/1080p24/4Kx2K,
3Dフレームパッキング720p/1080p24
音声フォーマット7.1ch/192kHzまでのPCM,5.1chまでのDSD,
Dolby Digital,Dolby Digital Plus,Dolby TrueHD,
DTS,DTS-HD High Resolution,DTS-HD Master Audio
端子2系統 (AVスプリット対応)
診断用ビデオ出力RCA端子1系統
音声出力DAコンバーターESS Technology社 ES9018S
アナログ RCA出力7.1ch (最大)
ステレオ
アナログ XLR出力ステレオ
デジタル出力同軸および光: 2ch/192kHzまでのPCM,Dolby Digital,DTS
ヘッドホン出力1系統
HDMI入力映像フォーマット
(MHLを含む)
480i/480p/576i/576p/720p/1080i/1080p24/1080p25/1080p30,
3Dフレームパッキング720p/1080p24
音声フォーマット5.1ch/192kHz まで,または7.1ch/96kHzのPCM,
Dolby Digital,Dolby Digital Plus,DTS and AAC
音声フォーマット(MHL)5.1ch/192kHzまでのPCM,Dolby Digital,Dolby Digital Plus,DTS
フロント1系統 (MHL対応)
リア1系統
USB入力フロント1系統(USB2.0)
リア2系統(USB2.0)
音声フォーマット7.1ch/192kHzまでのPCM
5.1ch/2.8MHzまでのDSD
USB-DAC入力USB-B端子2ch/384kHzまでのPCM
2ch/5.6MHzまでのDSD
LAN端子RJ-451系統
シリアル端子RS-232C1系統
IR入力3.5㎜1系統
アナログ音声出力特性周波数特性         :20 – 20kHz ±0.2dB/ 96kHz -1.5dB
SN比             :130dB以上(A weighting, Auto mute)
THD+N            :0.0003% (1kHz@0dBFS/48k/24bit 20k LPF)
ダイナミックレンジ     :110dB
チャンネルセパレーション :90dB
出力レベル         :2.1Vrms(RCA)/4.2Vrms(XLR) 1kHz@0dBFS
ヘッドホン出力特性周波数特性         :20 – 20kHz ±0.3dB (300Ω)
SN比             :98dB以上(A weighting, 非Auto mute)
THD+N            :0.0003% (1kHz@0dBFS/48k/24bit 20k LPF)
ダイナミックレンジ     :110dB
チャンネルセパレーション :90dB
出力電力          :23mW (300Ω) 1kHz@0dBFS
電源電圧AC 100V/230V, 50/60Hz
外形寸法 (W/D/H mm)430 x 311 x 123
重量 (kg)7.9
動作温度5 ~ 35℃
動作湿度15~75% (結露なきこと)

メーカーページより引用

その1 魅力は何か?

・優れた機能
UHDを除く映像や音楽のディスク再生、映像や音楽のデータ再生、PC接続再生、ボリュームのUP/DOWNも可能なのでプリアンプとしても使えます。

・豊富な外部接続
HDMI機器が接続可能なので別に用意したブルーレイプレーヤーやSTBを接続できることやUSB DACも備わっているのでPCも接続可能です。

・物量投資
ESS社のSabre 32 Reference DAC ES9018を合計2枚、2chや7.1chアナログ独立出力基盤、トライダル電源、堅牢なシャーシ構造とファンレス構成といったコストがかかっております。

・北米版ブルーレイ再生可能
海外モデルを買えば異なりますが、BDP-105DJPはブルーレイがリージョンA、DVDはリージョン2対応しています。国内再生機でリージョンエラーがでる北米版アニメが再生できます。

リアパネルだ。豊富な入出力端子が備わっており、ゲーム機やレコーダーをHDMIにIN、PCはUSB DACにIN、XLRやRCA出力からパワードスピーカーにINしてプリアンプとして使えるなどマルチに活躍する製品となっている。

その2 使い方の問題はあるか?

映像における使い方として2kディスクをアップコンバートさせるか、ソースダイレクトさせるかのどちらかです。ソースダイレクトで再生する分には問題ないですが、2kディスクをアップコンバートさせるとBDP-105DJPはHDMI1.4a規格までの対応なので最大解像度が4k/30hzになります。

最大解像度が4k/30hzまでだとUHD再生できないこと、2k映像を4k映像にアップコンバートした時に4k/60hz駆動で再生できないことです。特に2k映像を4kにアップコンバートするメリットは映像の繊細感を向上させることにありますが、30hzよりも60hzで再生する方が滑らかになります。アップコンバートを使用しない方は関係ありません。

音質において心配なのがオーディオ規格です。UHDは非対応なので最新のオーディオ規格は考えなくても良いのですが、2kディスクにもDolby Atmos搭載されているので注意が必要です。ネット情報では再生できるようですが未知数な部分もあります。

基本的に2kディスクメインでソースダイレクト使用であれば概ね問題点はないと思われます。それにBDP-105DJP側で4kアップコンバートしなくても映像機器側でアップコンバートすれば良いでしょう。

解像度の選択画面。様々な解像度の選択ができる。

その3使用感はどう?

『紅の豚』

0:49:00~、フェラーリン少佐がジーナに会いに行くシーン、画質は庭園の庭の色彩が表情豊かに再現される。細かいグラデーションも素晴らしい。しかも現代のブルーレイプレーヤーのようなデジタルではなくアナログのような映像に近いので手書きらしい柔らかな映像美が感じられる。

音質は全体的に音が太く生命力あふれる傾向だ。海風の中に「コツコツ」と広がる靴音や鳥のさえずりが深く響き渡るように再現される。少佐やジーナの声質も肉質感があって素晴らしい。飛行機のエンジン音も迫力がある。

正直「素晴らしい」の一言につきる。もし、欠点を言うならば、音に対してセパレート感が欲しく感じる。例えば、声と効果音とBGMが同時に出力される時、少しだけ団子状になってしまう。あえて言うならばである。特段不満はないし、素晴らしいと思う。

この作品を見るときは解像度を「ソースダイレクト」が望ましく感じる。アップコンバートするとぼやける印象が伺える。

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メニュー画面

『Minori Chihara the Last Live 2021 ~Re:Contact~ [Blu-ray]』
トラック23:純白サンクチュアリィ

画質は全体的にやわらかく再現される。人物の肌質はなめらかにソフト、衣装はふんわりとした素材感が確認できます。解像力は高くはないですが、ボーカルやバックバンドの人物像がリアルに感じられることからライブを楽しく見られる。

音質はアニメと同様に音が太く聴きごたえがある。ボーカルのふくよかな歌声にドラムスの力強いバスドラムや安定したベースのリズム感、ギターのオブリガートな響きが豊に再現される。ピュアよりな音色に近いのが嬉しい。

こちらは「おおむね素晴らしい」という感想になる。好みもあるが、リアルな人物なので絵に対してはデジタル寄りの透明感が欲しく、音も解像度が高くほしいと思う。ただし、デジタル寄りの透明感を得ようとすると、「リアルな人物像」ではなく「綺麗な人物像」になってしまう。少なくともDMR-ZR1ではそう感じた。なので悩ましいところではある。

この作品を見るときは解像度を「2K4K」が望ましく感じる。アップコンバートすると4k/24p4:4:4で出力されるので映像の繊細感があがるような印象が伺える。

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最後に『宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち』も合わせて見たので、メニュー画面の比較だけ掲載しておく。

DMR-ZR1。全体的に透明感と繊細感があり、ブラックのしまりがよく、色彩もキレイだ。
BDP-105DJP。全体的にやさしくやわらかい、パステルカラーのようにパレット豊かな表現力がある。
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プロジェクター:JVC KENWOOD DLA-V90R
HDMIケーブル(映像):AIM HDMIレーザーケーブル LS3-10
HDMIケーブル(音声):Panasonic RP-CHKX10-K
AVアンプ:DENON AVC-A1H
SP:DENSO TEN TD712zMK2セット

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その4 総評

2025年末でもBDP-105DJPは素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。その背景には市場に流通しているメディアの殆どが2kの映像ディスクであること、BDP-105DJPが物量投資モデルであることの起因が大きい。

『紅の豚』ではあえてアップコンバートせずに2kのソースダイレクトで出力した方が画質が優れており、『Minori Chihara the Last Live 2021 ~Re:Contact~ [Blu-ray]』だとアップコンバートした方が優れているように確認ができた。

ただし、『紅の豚』はアニメ、『Minori Chihara the Last Live 2021 ~Re:Contact~ [Blu-ray]』はライブ(リアル人物)だから、アニメはソースダイレクト、ライブ(リアル人物)はアップコンバートという絶対的な括りにはできない。

『紅の豚』は1982年のアナログ作品であるので、ソースダイレクトが良かっただけで、これが最新の作品であればソースダイレクトではなくアップコンバートした方が綺麗な場合もある。ライブや人物もそうだ。その時代に合わせて使うのがベストだ。

総合的にBDP-105DJPを使ってみて、一番相性の良かったジャンルはアニメだった。特にアナログ制作からアナログ~デジタルに変わる瞬間までの作品が最も好印象だ。アニメ専用機として1台置きたい。

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