2013年に発売されたのがCD-S3000。これまで長らくCDプレーヤーのフラッグシップとして活躍してきたCD-S2000の後継機になる存在でした。そこから2022年頃までのあいだ約10年間にわたって販売されてきましたが、ついに生産完了となりました。ヤマハが言うにはCD-S3000の後継機は発売しないということで実質ヤマハ最後のSACD(CD)プレーヤーという訳です。今回お安く入手することができましたので使ってみることにしました。
仕様
| CD-S3000 | ||
|---|---|---|
| 主な仕様 | ||
| 再生メディア | 音楽用SA-CD、CD、CD-R/RW(MP3、WMA再生可) | |
| 周波数特性 | SA-CD(1kHz 0dB):2Hz~50kHz(-3dB)、CD(1kHz 0dB):2Hz~20kHz | |
| 高調波歪率 | SA-CD/CD(1kHz 0dB):0.002%以下 | |
| SN比 | SA-CD/CD(1kHz 0dB):116dB以上(IHF-A) | |
| ダイナミックレンジ | SA-CD(1kHz 0dB):110dB以上、CD(1kHz 0dB):100dB以上 | |
| 出力レベル | SA-CD/CD (1kHz、0dB):2.0±0.3V | |
| 入力端子 | 光デジタル1、同軸デジタル1、USB端子(Type B、USB 2.0準拠)1、リモートイン1 | |
| 出力端子 | 光デジタル1、同軸デジタル1、アナログRCA(アンバランス)2ch(L/R)、アナログXLR(バランス)2ch(L/R)、リモートアウト1 | |
| 消費電力 | 30W | |
| 待機時消費電力 | 0.3W | |
| 外形寸法(幅×高さ×奥行) | 435W×142H×440Dmm | |
| 質量 | 19.2kg | |
| 付属品 | リモコン、単4乾電池2本、電源コード(1.5m)、ステレオピンケーブル(1.5m)、取扱説明書 | |
メーカーページより引用
外観
フロント

トップ

サイド

リア

リモコン

電源ケーブル

説明書

保証書

視聴機の紹介
プリメインアンプ:DENON PMA-SA
CDプレーヤー:YAMAHA CD-S3000
スピーカー:JERN 14DS

視聴レビュー
『TVアニメーション「マリア様がみてる~春~」サウンドトラック』
トラック5:祐巳のテーマ~original version
【CD】
ワルツ形式の曲でストリングス、ピアノ、フルートの構成です。
CD-S3000で再生すると、上品でしなやかにおちついた音色で再生してくれます。
ストリングスはストリングス、ピアノはピアノ、フルートはフルートらしく楽器の特徴をきちんとつかんでくれます。
このクラスですので解像度は高いです。ただし無理やり分解させるような鳴り方はせず音楽の1音1音を大事にしてくれます。
上品なモニターサウンドという感じでしょうか。
1台持っておきたい存在です。
『THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER Cute jewelries! 003』
トラック5:女の子は誰でも
【CD】
カバーソングで、女性ボーカルです。
CD-S3000で再生すると、こちらも上品におちついた音色で再生してくれます。
ボーカルはしっとりなめらか、ベースやドラムスは低域パートらしい太くて芯があり、中域ぐらいにあるサクソフォンは艶やかなシルキーサウンド、トランペットは煌びやかで、どの楽器も楽器の良さを抑えて再現してくれます。
空間表現も良く、ボーカルと楽器の位置関係も好印象です。
このような楽曲でもハイエンドらしいサウンドを実現してくれます。
『WHITE ALBUM2 ORIGINAL SOUNDTRACK~encore~』
トラック9:愛する心
【SACD】
オリジナルソングで男性&女性ボーカルです。
この音源は男性成分と女性成分の描き分けが難しくどちらか片方に引っ張られてしまいます。
しかしながらCD-S3000で再生すると男性は上品な太さ、女性は上品な美しさがしっかり再現されます。
男性と女性が一緒にユニゾンで入るシーンも分解力がきちんと出ており分析力も高く感じられます。
なによりもCDとSACDのポテンシャルによる違いはあるものの両方とも妥協なく音が出てくれるので素晴らしいです。
という訳でSACDプレーヤーとしても素晴らしいサウンドです。
【USB DAC】
『BOW AND ARROW』米津玄師
TVアニメ「メダリスト」のオープニングです。
CDやSACDより落ち着いた上品な音色で再生してくれます。
ふくよかですっきり系の中にボーカルとバックバンドを腰を据えて鳴らしてくれます。
冒頭のバックバンドもきちんと1音1音大事に、バックバンドも同様で、コンマ数秒の音色も興味深く聴けます。
CD-S1000のまとまりのある音、CD-S2000の広がりのある音、この両方をバランスよくとった傾向みたいにも聴こえます。
定価50万円であればもう少し欲しい所ですが、10年以上立っておりますので、後継機が出ればこの辺りは良い仕上がりになるのでしょう。
総評
ヤマハらしい音楽性豊かなナチュラルサウンドです。
このディスク再生機は、これを超えるものは世の中にありますが、どんな時でも1台は置いておきたいアイテムです。
たくさん視聴を重ねる筆者でも置けるスペースが足りなくても、それでも持っておきたいと感じたので実家で使うことにしました。
これから入手するには中古しかありません。中古相場は10万円台後半や20万円前半、30万円前半といった値段のアップダウンが激しいです。金額と相談してほしいタイミングで買うのがベストバイでしょう。


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