噂によると、採算度外視で作られたAVアンプらしいです。偶然にも安く買えたのでレビューしてみることにしました。定価は748,000円です。チョー高いです。
仕様
搭載パワーアンプ数 | 13ch |
定格出力 (8Ω、20Hz ~ 20kHz、THD 0.05%、2ch駆動) | 150W+150W |
実用最大出力 (JEITA: 6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動) | 260W |
適合インピーダンス | 4 ~ 16Ω |
周波数特性 | 10Hz ~ 100kHz (+1, -3dB、ダイレクトモード時) |
S/N比 | 102dB (IHF-A、ダイレクトモード時) |
ひずみ率 | 0.005%(20Hz~20kHz、ダイレクトモード時) |
無線LAN | ネットワーク種類(無線LAN 規格): IEEE 802.11a / b / g / n 準拠(Wi-Fi® 準拠) セキュリティ: WEP 64bit、WEP 128bit、WPA/WPA2-PSK(AES)、 WPA/WPA2-PSK(TKIP) 無線周波数: 2.4GHz / 5GHz |
Bluetooth | バージョン: 4.2 対応プロファイル: A2DP 1.2、 AVRCP 1.5 対応コーデック: SBC 周波数帯域 / 送信出力 / 通信距離 2.4GHz 帯域 / Class 1 / 約30m (見通し距離) |
HDMI端子 | 入力× 8(フロント × 1)※8K対応入力×1(HDMI 7) 出力× 3(モニター × 2、ゾーン2 × 1)※8K対応出力×2(モニター1/2) |
アナログ映像入出力端子 | コンポジット入力 × 4、コンポーネント入力 × 3、コンポジット出力 × 2(モニター/ゾーン3 × 1、ゾーン2 × 1)、コンポーネント出力 × 1 |
音声入出力端子 | アナログ音声入力 × 7、Phono入力(MM)× 1、アナログ7.1ch入力 × 1、光デジタル入力 × 2、同軸デジタル入力 × 2、15.2chプリアウト × 1、ゾーンプリアウト × 2、ヘッドホン出力× 1(フロント) |
その他の入出力端子 | Denon Link HD × 1、Network × 1、USB-A × 1(フロント)、USB-A × 1(リア、5V/1.5A 給電専用)、Wi-Fi/Bluetooth アンテナ×2、セットアップマイク入力 × 1(フロント)、RS-232C × 1、DCトリガー出力 × 2、リモートコントロール(IR)入出力 × 各1 |
外形寸法(フット、端子、つまみ、アンテナを含む) | W434 × H259 × D482mm (アンテナを立てた場合) W434 × H195 × D482mm (アンテナを寝かせた場合) |
質量 | 25.4kg |
電源 | AC 100V、50/60Hz |
消費電力 | 900W |
待機電力 | 0.1W (通常スタンバイ) 0.5W (CEC スタンバイ) |
付属品 | かんたんスタートガイド、リモコン、単3形乾電池 × 2、セットアップマイク、マイクスタンド、Wi-Fi/Bluetoothアンテナ × 2、ケーブルラベル、電源コード |
外観
13.2chを出力する筐体のカラーはグラファイト・シルバー、高級感だだよう佇まいは、カッコイイというより美しい。そして右下横には「110 Anniversary」の文字が、、、、、型番の記載が無いのは驚いた。さすが記念モデルです。
単一板の中にはドデカイトランスが入っています。しかも「DENON 110」の文字が刻まれており、もうカッコよすぎです。加えて内部部品は採算度外視した厳選されたパーツが組み込まれており、別次元の存在です。
左右のサイドパネルも単一板、天板、左右板の3点構成にすることで、制振対策がきちんとなされています。
背面は圧巻の端子群です。主要すべての端子が金メッキ処理されており、極めつけは、13chのパワーアンプ回路、全て個別の基盤に独立させたモノリス・コンストラクション構成がされています。こだわりがハンパないです。
付属品は、電源ケーブル、測定マイク、リモコン、電池、110周年記念ポストカード、110周年記念サッシ、マイクスタンド、説明書、シール、保証書があります。
記念のグッズはすごいです。AVアンプだということを忘れてしまいそうになります。
110周年記念冊子の中身を見ると、110周年記念にあたってのコメントと製品名および製品番号と設計者名が入っています。すごすぎる。。。
裏面はDENONのカッコイイロゴがいくつか書かれています。
恒例のスピーカーケーブル用のシールがついています。これが地味に便利です。
測定マイク
測定マイクスタンド
リモコン
極太電源ケーブル
セットアップ
本体にマイクを差し込むと、画面がでてきます。DENONの設定画面はとても親切な作りです。スピーカーにスピーカーケーブル接続のやり方、接続する順番、ウーファーの設定手順など、画面を見ながら設定するだけで終わります。初心者でも簡単にできる仕様です。
視聴機の紹介
フロントスピーカー:DENSO TEN TD712zmk2-S(BK)
センタースピーカー:DENSO TEN TD712zmk2-S(BK)
サラウンドスピーカー:DENSO TEN TD712zmk2(BK)
AVアンプ:DENON AVC-A110
ブルーレイプレーヤー:Panasonic DP-UB9000(Japan Limited)
プロジェクター:EPSON EH-LS10500
視聴レビュー
第一印象はパワーで根底から全体に広がるような音色傾向で圧巻です。とても一体型AVアンプとは思えない肉質感のある音の鳴り方をします。特に、低域から「ぐいっ」と中高域に向けて鳴らす印象的で、DENONらしさを感じました。音の偏りもなくニュートラルでAV用途らしい色付けのない感じはまさにAVアンプの頂点と言えるでしょう。
『ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~』
視聴モードは「Movie multi in」、セリフは明瞭でありながら、肉質が加わり、柔らかい印象です。ボディー感がある音の鳴り方は、他メーカーを寄せ付けられない印象でした。映画館の傾向にピュアな音色を加えた感じで、存在感がものすごくあります。
冒頭0:14:26~、榎本夏樹が回想で「告白、予行練習だよ!」というセリフのSN感はお部屋全体に広がりました。AVC-A110は物量投資モデルだけあって、サラウンドで組んだ時の押し出し感はものすごくあります。
エンディング0:57:45~、複数のボーカリストが同時に歌うのですが、それぞれの分解力の高さに驚きました。一体型AVアンプでここまで表現ができるんだと感じました。
今回の音源はマルチ収録です。この音源は他サウンドモードを使うと「違和感」がありましたので、あまり使用はおススメではありません。使うなら「Movie multi in」一択です。
『「君の名は。」』(UHD)
視聴モードは、こちらも「Movie multi in」、1:32:60の隕石が落ちてきたときの衝突音はかなり驚きました。マルチで鳴らした時のスピーカーから空気感が伝わってきます。加えて、重い時の空気感は体が揺さぶられます。余談ですが、他のアクションシーンでも重い空気感が伝わってくるので、このAVアンプはアクション系に向いていると感じられます。
『藍より青し』
視聴モードは、「ステレオ」「Dolby Audio – Dolby Suround」
まず、0:11:50のはなびしかおるとさくらばあおいが、コーヒーを飲みながら話すシーンですが「ステレオ」で試すと、2CH音声のはずだが、十分サラウンドのように聞こえます。ここでも、物量モデルのすごさを感じました。まさに「DSP疑似サラウンドいらねーじゃん」みたいな感じです。
今度は「Dolby Audio – Dolby Suround」で試すと、そこまで違和感なく音が全体に広がってくれます。ヤマハのAVアンプを使ってきた人ならばもしかするとこちらの方がしっくりくるかもしれません。昔にくらべてDSPのレベルもあがってきました。筆者はこちらの方が好みで、より作品に没入できます。
総評
とにかく「すごいAVアンプ」です。これ以上言うことがありません。AVアンプで色々と浮気せずにこちらを買っておけばしばらく使えます。あとは音の好みに合うか合わないかが鍵になるでしょう。
2024年現在はAVC-A110よりも高いフラッグシップ機「AVC-A1H」が登場しました。1ベール上を行く音質です。お値段は100万円程度でお高いですが、音もいいです。恐らく10年使い続けられるAVアンプかもしれませんね。
コメント
勉強になります。ありがとうございます。教えてください。RX-A8Aとdenonavc-a110は使い分けはありますか。映画とクラシック ピアノを楽しんでおります。
お返事遅れてしまい失礼いたしました。
すでに解決されましたかね。
RX-A8AはこのシリーズからAVプリ機能が一新されています。このためSN比が高いのが特徴です。足跡や衣擦れ、吹雪、雨、マシンガンの音等、映画に向いていると思います。
一方a110はピュアクラスの部品がふんだんに採用されているため、ピュアに匹敵する音がでてきます。ピアノやクラシック等に向いています。